インフルエンザと風邪の違い
咳、痰、のどの痛み、倦怠感、発熱などの症状がある場合を感冒症候群などと呼びます。
原因の大部分はウイルスによる感染症です。風邪の大部分は生命に影響せず、自然に治癒する軽い病気です。
しかし、インフルエンザウイルスの感染によるものでは、通常冬(12月~3月)に大流行し、高熱(39℃以上)、咳、痰、倦怠感、食欲不振、関節痛などの強い全身症状を示すのが特徴です。
また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。
尚、インフルエンザウイルスには、A・B・C型の3種類があり、普通はA型とB型が問題になります。
▼インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザ | 風邪 | |
初期症状 | 発熱、悪寒、頭痛 | 鼻咽頭の乾燥感およびくしゃみ |
主な症状 | 発熱、筋肉痛、関節痛 | 鼻汁、鼻閉 |
悪寒 | 高度 | 軽度、きわめて短期 |
熱および熱型(期間) | 38~40℃(3~4日間) | ないか、若しくは微熱 |
全身痛、筋肉痛、関節痛 | 高度 | ない |
倦怠感 | 高度 | ほとんどない |
鼻汁、鼻閉 | 後期より著しい | 初期より著しい |
咽頭 | 充血およびときに扁桃腫張 | やや充血 |
結膜 | 充血 | 咽頭結膜熱ではひどい |
合併症 | 気管支炎、インフルエンザ肺炎、細菌性脳炎、脳症 | まれ |
病原 | インフルエンザウイルスA、B | ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなどなど |
もし、インフルエンザに罹ったら・・
発症48時間以内であれば効果の早い薬もありますので、急に熱が39℃以上でた場合は早めの医療機関の受診をお勧めいたします。
また、漢方薬でも病院の薬と併用などでよい症例がたくさんあります。
初期には一般に桂麻剤です。
”麻黄湯”(マオウトウ)、”葛根湯(カッコントウ)”などが知られてますが、小児、老人の方には”五積散”(ゴシャクサン)が安全です。
また、体力が無く、うっすらと汗をかいている人には、”桂枝湯”(ケイシトウ)が良いでしょう。
次の症状として、いよいよ本格的に発熱し、のどが腫れて痛いなどの熱の状態が強い時には”銀翹散”(ギンギョウサン)を使います。
その後、なかなか治らず長引いている時には、柴胡剤(サイコザイ)や”六君子湯”(リックンシトウ)などを症状に応じて使い分けます。