なぜ起こる?花粉症
花粉症はアトピー性皮膚炎や喘息などと同じアレルギー性疾患の一つといわれています。
では、アレルギーとはなんでしょうか?
それは、体に入り込んだ異物を撃退する防御反応が過剰であることをいいます。
アレルギーを引き起こす原因物質をアレルゲンといいます。
つまり、花粉症の場合は花粉がアレルゲンとなります。
- 花粉(抗原)を吸い込む
- 身体の中にこれらの抗原に対する反応物質である抗体ができる
- その抗体は鼻の粘膜表面にある肥満細胞にくっつく
- そこへ再び抗原(花粉)が入ると抗原抗体反応が起こり化学伝達物質としてヒスタミンなどの刺激物が肥満細胞から飛び出す
- そのヒスタミンなどが神経や血管に作用し鼻水が出たり、くしゃみ、目のかゆみなどの花粉症の症状となる
なぜ花粉症は増えたのか?
1980年代の始め頃まではあまり知られていませんでしたが、今では誰でも知っている病気となりました。
なぜでしょう?
花粉の増加を原因とする説
太平洋戦争後に杉の植林が行われ、それらの杉の樹齢が30年以上になり大量の花粉をまき散らすようになったため
生活の様変わりを原因とする説
食事の欧米化やストレスの増加により自律神経のバランスが崩れたから
大気汚染を原因とする説
普段から鼻の粘膜を痛めてしまう
・・・などなどありますが、決定的な原因は分かっていません。
ただ、ここに挙げた原因が重なり合ってアレルギーを起こしやすいタイプの人が花粉症となっているようです。
漢方薬から見た花粉症
たとえば、寒がりで厚着をする、手足が冷たい、寒冷刺激でくしゃみや鼻水が出るなどの症状がある場合・・・・「寒証」という病態
これとは逆に、暑がり、手足が火照る、目が赤く充血、黄色い鼻水、鼻に熱感があるなどの症状がある場合・・・・「熱証」という病態
このように、同じ花粉症でもその背後にある病気の本体「証」を推理することが漢方の診断にあたります。ですから、どの「証」に分類するのかは、個々の患者さんにより異なります。
また、しばしば基本の「証」が複数組み合わさります。
漢方薬は花粉症によいのか?
- 単なる対処療法ではなく、体質改善効果が期待できる
- 局所症状だけでなく、全身症状の改善を行う
- 現代医学の治療で効果の少ない場合にも、それに代わって効果をあげうる
- 副作用が少ないので、長期間服用しても安全
漢方薬は体質改善を目的としており、単なる対処療法ではありません。
よくあった漢方薬をシーズンオフにも服用していると、年々花粉症の症状が改善して、そのうち治っていしまうこともよく見られます。
したがって是非シーズンオフにも漢方薬の服用は続けたいものです。