夏バテとは・・・
主な症状としては、食欲不振、全身の倦怠感、頭痛、めまい、集中力がなくなる、など様々です。
夏の暑さにより、体内のバランスが崩れ不調を訴える状態です。
「夏負け」、「暑さ負け」などとも呼ばれます。
では、どのようなバランスが崩れているのでしょうか?
人間の体は、暑くなると体温を保とうと、汗をかいたり、血管を広げたりして体の外へ熱を逃がそうとします。⇒これは自律神経の働きによるものです。
ところが、暑さが長く続いたりして体に溜まった熱を外へ出すことができない状態となり
つまり、自律神経の乱れにより生じる不快な症状のことです。
特に冷房を使用している室内と外との温度差が激しいと自律神経の働きが追い付かずに調子を崩しやすくなります。
漢方から見た夏バテ
漢方の考え方の中に「外感六淫」の理論があります。
「六淫」とは、自然界の「風・寒・暑・湿・燥・火」の「六気」(冬の寒さや、夏の暑さなど)が過剰や不足などにより人体の自然調節機能に影響して「邪」(調子を崩す原因)となったものです。
また、これらの「六淫」は単独で表れる場合もあれば、複数が関係する場合もあります。
夏は「暑邪」が多い時期となります。
暑邪には、「暑熱」(中暑)と「暑湿」の2種類があります。
「暑熱」(中暑)の症状としては、高熱・口喝・尿量が少ない・胸苦しい・甚だしければ意識障害やけいれんなど、高熱によって津液(体内の水分)と元気が消耗されやすくなります。
「暑湿」の症状としては、長期間持続する微熱・四肢がだるい・食欲不振・胸が苦しい・悪心・嘔吐・泥状ですっきりしない排便などです。
漢方薬による治療
清暑益気湯や藿香正気散などを使います。
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
補中益気湯の変方で、夏まけ・夏やせなどが適応となる。処方名は暑をさまし、生気を益するということから名付けられた処方です。
藿香正気散(かっこうしょうきさん)
胃腸がもともと弱い体質で、冷房等により体調がくるい発熱したりする、いわゆる夏カゼ、また暑いさかりに清涼飲料水・果物・生ものの摂取により、胃腸が冷やされその機能が一層低下しておこる下痢・食欲不振などの胃腸疾患や全身倦怠感に効果があります。
また、牛黄製剤なども使用します。