おねしょは夜寝ている間に無意識のうちに膀胱から尿があふれて、漏れてしまう様態です。
では、なぜ尿があふれて、漏れてしうのでしょうか?
次の原因が考えられます。
1、夜に尿を少なくする仕組みがうまく機能しない時
2、尿が無意識に漏れなくする仕組みがうまく機能しない時
このような時に、『おねしょ』をしてしまいます。
上の図で、②がおねしょをしない子になります。(夜間の尿量も睡眠時膀胱容量も問題なし)
①では、夜間の尿量が睡眠時膀胱容量よりも多いためおねしょしてしまいます。⇒夜に尿を少なくする仕組みがうまく機能しない時
②では、夜間の尿量は正常だが、睡眠時膀胱容量が少ないため、おねしょしてしまいます。⇒尿が無意識に漏れなくする仕組みがうまく機能しない時
抗利尿ホルモンは、脳から分泌されるホルモンで、昼間少なく夜多くなります。
この抗利尿ホルモンの働きにより、夜寝ている間に尿が濃くなるため、尿量が減少します。
通常、成長とともにホルモンの分泌も整ってきますが、昼間は普通のお子さんと同じく分泌されているホルモンが、夜だけ分泌が悪くなる傾向のお子さんがいます。
そのために、夜寝ている間の水分を体に戻す事が十分にできず、睡眠時膀胱容量を上回りおねしょしてしますのです。
無意識に尿がもれなくする仕組みには、尿を出す神経調節や膀胱の機能があります。
尿を出す神経調節は反射排尿(ある程度たまると自動的に出てしまう)から安定排尿(我慢ができるようになる)へと発達していきますが、未発達(反射的に出てしまう)が原因でおねしょする場合また、
膀胱の機能では我慢できる尿の量の発達、つまり睡眠時膀胱容量が少ないためにすぐに膀胱からもれ出てしまう場合があります。
上記以外にも
心理的ストレス
体の冷え
習慣性の多飲
・・・などなどがその原因として考えられます。
漢方には独特の病理概念(陰陽・気血水など)があり、それに基づいて漢方処方を選ぶ事になります。その中で代表的な処方としましては、
小建中湯(ショウケンチュウトウ)
体力が無く、腹部の力は弱いのに、左右の朊直筋が張っている・顔色が悪い・元気が無い・疲れやすい・鼻血が出やすい・動悸がする・よく腹痛を訴えるというタイプの子供に効果があります。
柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
のぼせやすく、ねぼけたりすることもあり、みぞおちと肋骨の下を軽く押してみると抵抗・圧痛がある。へその下または上に動悸がし、便秘しやすく、汗をかきやすい、口の中が粘つく、口やのどが渇く、という子供の夜尿症に効果があります。
六味地黄丸(ロクミジオウガン)
のどが渇いて水を飲みたがり、排尿の回数が多く、汗はあまりかかないという子供のおねしょに効果があることがあります。腹部の様子をみると、上腹部に比べ下腹部の力が弱いということが目標になります。
などなどがあります。
起こさない
睡眠のリズムが乱れてしまい、抗利尿ホルモンが減ってしまいます。それにより膀胱にためない習慣もつけてしまいますので、起こすことはやめましょう。
規則正しい生活のリズム
毎日一定の時間に起きる、食事する、寝るようにしましょう。自律神経は規則正しい生活をしていないとまともに働きません。
水分の取り方を変えましょう
意識的に朝と昼の水分を多くとって、夕方からの水分を減らすようにしましょう。また塩分をとりすぎると、のどが渇いて水分をとりすぎることになります。
※漢方薬を飲みながら以上の点も一緒に注意していくとより効果が出やすくなります。